人で埋め尽くされた祇園祭前祭宵山の函谷鉾周辺(2018年7月16日、京都市下京区)

人で埋め尽くされた祇園祭前祭宵山の函谷鉾周辺(2018年7月16日、京都市下京区)

 新型コロナウイルスの影響で祇園祭の鉾建てが中止となる中、本来なら前祭(さきまつり)の宵山を迎えるはずだった16日夜に、山鉾の一つ「函谷鉾(かんこぼこ)」で祭りを毎年手伝う地元の学生らがオリジナルの動画を公開する。函谷鉾で宵山の夜だけに行われる恒例行事「提灯落とし」の様子を映像で公開し、宵山の風情を疑似体験してもらう狙いだ。

 動画を制作したのは、京都産業大の小林一彦教授のゼミに所属する学生ら。小林ゼミの学生は毎年、函谷鉾でちまきや授与品を販売する手伝いを行っている。

 しかし、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で鉾の組み立ては行われず、学生たちは一連の行事を手伝うことはできなかった。学生は祭りと何らかの関わりを持とうと、函谷鉾保存会と協議し、宵山の最終盤に行われる提灯落としを、本来行われるはずだった時間に映像で再現することにした。

 動画は16日午後9時半にユーチューブの「祇園祭函谷鉾」チャンネルで公開し、長さは約3分。会所2階や「らち」と呼ばれる柵の内部など、関係者以外入ることのできない視点からの映像を中心に公開する。終盤に学生たちが登場し、手締めを行ってコロナ禍の収束と来年の祇園祭の無事を祈念する。

 小林教授は「学外実習が規制される中、学生たちは一度も顔を合わせることなく、オンライン上での打ち合わせだけで映像を作り上げた。ぜひ祭りの雰囲気を楽しんでほしい」と話す。