京都大学(京都市左京区)

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 体内の低酸素状態を感知して呼吸を調節するメカニズムの一端を解明したと、京都大などのグループが発表した。呼吸中枢の細胞にあるタンパク質を介して呼吸をコントロールする新たな制御機構だという。成果は17日、国際学術誌「カレント・バイオロジー」に掲載される。

 短時間で変わる体内の酸素濃度の感知は生体にとって重要だが、メカニズムは詳しく分かっていない。工学研究科の森泰生教授や中尾章人助教らは、延髄の呼吸中枢にある細胞のタンパク質「TRPA1」に着目しマウスで実験した。

 血中の酸素濃度が低下すると、TRPA1が細胞の表面に集積。カルシウムイオンを取り入れて細胞からシグナル因子が放出された。さらにシグナル因子が呼吸運動に関わる頸髄(けいずい)から出ている神経に働き掛け、呼吸の調節に関わっていることが示唆されたという。

 中尾助教は「全く新しい呼吸調節機能が明らかになった。今後もさらに解明を進めたい」としている。