新建にあるジョウダンノマを前に語る廣部住職(東近江市五個荘竜田町)

新建にあるジョウダンノマを前に語る廣部住職(東近江市五個荘竜田町)

1814年に建てられ、近江商人屋敷の風格を醸し出す松樹館の主屋(東近江市五個荘竜田町)

1814年に建てられ、近江商人屋敷の風格を醸し出す松樹館の主屋(東近江市五個荘竜田町)

 広大な庭園と建物が一体で残る近江商人屋敷「松樹館」(滋賀県東近江市五個荘竜田町)が7月下旬、新たな国指定登録有形文化財として答申された。40年以上も無住で荒れ果てていた屋敷を修復し、守ってきた近江八幡市の「教林坊」住職の廣部光信さん(49)は「苦労して手入れさせてもらったのが報われました」と喜びを語る。

 松樹館は江戸時代、近江商人を代表する松居久右衛門の本宅で、主屋は200年以上前の建築。主屋からつながる新建(しんだち)は、明治期に建てられた。


 廣部さんと松樹館の出合いは12年前にさかのぼる。その元の所有者の関係者から「もらってくれないか」と頼まれた。見に訪れると、屋根の一部が落ちて空が見えるほどで、床もシロアリに侵食され、荒れ放題だった。廣部さんは「もとの邸宅の良さをイメージできた。このまま朽ちていくのはもったいない」と屋敷を買い取ることを決めた。


 そう考えたのは、自身、20年前に復興を手掛け、観光名所となった教林坊の経験があったからだという。


 廣部さんは寺の仕事の合間に、松樹館の瓦を葺(ふ)き替え、虫食いなどで傷みが激しい床を張り替え、12年かけてよみがえらせた。


 今後について、廣部さんは「近江商人が使っていた歴史あるお屋敷なので、みなさんにも見てほしい」と一般公開を考えている。