「本当の満州を知った時、満州について書けなくなった」満州から引き揚げたあまんきみこさん(京都府長岡京市)

 童話作家のあまんさんは旧満州で生まれ育った。家族に守られ、日本人に囲まれて過ごした幼少期に忌まわしい記憶はない。引き揚げ後、満州に関する本を読んだ。生地の撫順(ぶじゅん)は中国人大量虐殺の現場で、敗戦後は収容所で多くの日本人が犠牲になったと知る。作品で戦争を取り上げてきたが、満州の経験は多くを語ってこなかった。「知るほどにつらくなった。あまりに自分の体験と違った」。2015年、83歳の時に本紙取材に語った。