記者会見に臨む京都アニメ―ションの八田社長(18日午後4時2分、京都市下京区・京都経済センター)

記者会見に臨む京都アニメ―ションの八田社長(18日午後4時2分、京都市下京区・京都経済センター)

 昨年7月に京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)が放火され36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件から1年を迎えた18日午後、京都市下京区の京都経済センターで京アニの八田英明社長が記者会見し、「1年たって、1ミリでも前に進めるようにしている」と述べた。

 会見には八田社長と桶田大介弁護士が出席した。

 八田社長は、現在の心境やファンへの思いについて「日頃から弊社を応援してくれている皆様に深く感謝している」などと述べた。

 現在の会社内の状況については「あれほどの大事件は相当なショックだった。今は、社内のコミュニケーションを大事にしている」などとした。  

 第1スタジオの跡地利用は「まだまだかかる。遺族や地域のみなさまと語り合って考えていきたい」とした。

 八田社長は、今後の京アニの方向性について「1年でできたものが2年かかることはあるだろうが、自分たちで企画を考えてやっていきたい」と引き続きオリジナル作品の製作に意欲を示した。  

 犠牲者の生きた証を社会にどう示していくのかという問いかけには「京アニには(若手を)ゼロから一つずつ教えていく伝統があった。後輩がその気持ちを伝えていく。時間はかかるが、これからも自分たちの作品を作っていきたい」とした。  

 青葉容疑者に対しては、代理人の桶田弁護士が「コメントはない」とした。

 今後の再建について「建物を新しく建てるのが再建ではない。一番大きいのは心。作品を作り続けることを大事にしたい」とした。 この1年を振り返って「毎日が闘いだった。スタッフの1歩先を歩くため、泣き言を言わず、自分を鼓舞し、明日につながるようにしてきた」とした。

 この日、八田社長は午前10時半から、事件現場となった第1スタジオ跡地で、犠牲者を悼む追悼式に出席した。遺族85人らとともに、アニメに情熱をささげたクリエーターたちの冥福を祈り、「1年前のこの日、この場所で、想像を絶する悲しい事件が起きてしまいました。地元はもちろん、全国各地からこの地に集まった優秀なクリエーターが突然未来を奪われてしまいました。無念で無念で、言葉がありません。断腸の思いです」と哀悼の意を表していた。