きょう7月場所の初日を迎える大相撲は、「関取」と呼ばれる十両昇進までは無給の厳しい世界だ。最近は大学卒業者も増えたが、中学校を出て入門する力士も少なくない▼年少で関取になったトップ3は若い順に、2代目貴乃花、稀勢の里、北の湖。いずれも17歳だった。10代半ばから稽古に明け暮れ、めきめきと頭角を現した。3人とも、後に横綱になっている▼3日前に史上最年少で将棋の棋聖タイトルを獲得した藤井聡太さんも17歳11カ月。中学生でプロ入りし、公式戦29連勝、最年少の七段、最速での通算100勝到達など数々の記録を打ち立てた。きょうはくしくも、18歳の誕生日である▼強さは努力に裏打ちされているようだ。詰め将棋で基礎力を培い、人工知能(AI)を使って研究にいそしんだ。持ち前の集中力や何事にも徹底的に打ち込む姿勢と相まって、「弱点がない」との評判をとるようになったのだろう▼棋聖となった直後の記者会見で、「これからは責任ある立場になる」と話した。はにかみながらも、未来の将棋界を背負う自覚があることをうかがわせた▼貴乃花は猛稽古でならし、稀勢の里は真っ向勝負が身上、北の湖は憎らしいほど強いと評された。ファンの心に残るのは年少記録だけではない。藤井さんの成長を見守りたい。