小鳥のさえずりは愛らしいが、それが群れになると趣は変わってくる。街路樹に集団でねぐらをつくるムクドリの鳴き声は「ギャーギャー」とけたたましく、時に恐怖を覚えるほどだ▼安倍政権もいま、多くの鳥の声に頭を痛めているのではないか。ブルーの鳥がロゴマークのツイッターのことである。短文を投稿・拡散することで思いを共有できる会員制交流サイト(SNS)だ▼その影響力を示したのが、検察庁法改正案を巡る論議である。著名人らも参加したことで数百万件の反対意見が拡散され、「ツイッターデモ」と呼ばれる現象が起きた。最近では政府の観光支援事業「Go To トラベル」でも批判的な投稿が相次ぐ▼「物言わぬ多数派」がいるので、ツイッターでの意見傾向と実際の世論とは必ずしも一致しないだろう。意図的な言論操作や、なりすましの問題も気掛かりだ▼しかし、投稿の盛り上がりに押されるように、政府が方針転換するケースがこのところ相次いでいる。新型コロナウイルス対策の迷走ぶりを見ていると、為政者もツイッターに現れた世論を黙殺できなくなっているようにも見える▼「ツイート」は英語で「さえずり」を意味する。一羽一羽の鳴き声は小さくても集まれば大きなうねりとなる。青い小鳥はあなどれない。