ゆとり、あこがれ。

北沢映月「祇園会」1936年

 京都国立近代美術館(京都市左京区)は日ごろ、4階のコレクション展で館蔵品を季節ごとに紹介している。本展「京(みやこ)のくらし――二十四節気を愉(たの)しむ」では、全ての季節にちなんだ作品を見ることができる。花や自然、生活や行事を表現した270点が並び、分野は日本画、洋画、工芸、版画など、時代は明治から2000年代に及ぶ。

印藤真楯「夜桜」1897年

 二十四節気は季節の変化をとらえ、暮らしや農事に生かすために欠かせない目安だ。万物が生き生きとする春の「清明」、夏の暑さが和らぐ「処暑」、秋の露が草に宿る「白露」など、表現にも趣がある。

都路華香「白雲紅樹」1914年ごろ

 季節を感じる心は京都では特に大切にされ、生活に取り入れられてきた。着物の柄、食材、茶道具。そして室内に飾る絵も季節に合わせて掛け替えられた。

森口華弘 振袖「梅林」1964年

 会場では、京都の暮らしぶりが伝わるよう、作品を絵画や工芸などの分野別ではなく、掛け軸の前に工芸品を置くなど取り混ぜて並べ、屏風(びょうぶ)や着物はケースから出して展示する。昔ながらの京都の町家を訪れた気分になれるだろう。

稲垣稔次郎 型染壁掛「東寺の縁日」1952年ごろ
安井曾太郎「桃」1950年

 展示は会期に合わせて夏から始まり、1年を巡る。「京都の人は季節を生活に反映させ、楽しむことにたけている。その感覚を見直し、日常に取り入れてみては」と池田祐子学芸課長は提案する。関連展示として4階コレクション展は同時期、東松照明の写真シリーズ「京まんだら」全75点を展示、ひと味違う京都を味わえる。

【会期】7月23日(木・祝)~9月22日(火・祝)
【開場時間】午前9時30分~午後6時。金曜日と8月16日は午後8時まで(入場は閉館30分前まで)
【会場】京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)
【主催】京都国立近代美術館、京都新聞、NHK京都放送局、KBS京都
【観覧料】一般1000(800)円、大学生500(400)円。かっこ内は20人以上の団体および夜間割引(金曜日の午後5時以降)。高校生以下、18歳未満は無料