コンビニで商品をかごに入れてレジへ。支払いの段階で財布を忘れたことに気付いた。たまたま定期入れにあった鉄道のICカードでその場をしのいだ▼今や多くの店舗で電子決済に使えるICカード乗車券。その先駆けは2001年にJR東日本が首都圏で始めた「Suica」のサービスだ。全国の交通事業者でも同様のカード導入が進み、使える場所もコンビニなどに広がっている▼同じ年に導入されたのが、高速道路の自動料金収受システム(ETC)である。5月時点の利用率は92・9%と、意外なほどにキャッシュレス化が進んでいる▼この状況に自信を深めたのか、国土交通省は全国の高速道路をETC専用にする検討を始めるという。ただ、ETCカードは他に使える場所が一部の有料道路くらいしかない。現金派は車載器の購入を迫られることになる▼新型コロナ対策で料金所係員との接触を減らすというのならば、無人精算機を増やす手だってある。高速道路で現金が使えなくなるとしたら、やはり不安だ。車載器の故障やカードの破損があった場合には、どうしたらよいのか▼コンビニならICカード乗車券は財布の代わりになる。だが、高速道路でその逆が通用しないのは困る。万一の事態をしのげないようなキャッシュレス化は疑問だ。