ハラスメントが起こる背景や影響について説明する内藤さん(大津市・県庁)

ハラスメントが起こる背景や影響について説明する内藤さん(大津市・県庁)

 職場でセクハラが起こる背景に、中高年男性の「勘違い」がある―。滋賀県大津市の県庁で31日、県幹部職員を対象としたハラスメント研修があった。体を触る、自宅に誘うといった実際の事例を基に、労働問題に詳しい講師が「女性は立場上拒否できないだけ」「同意のない性的行為は不法行為」と、男性側の「勘違い」を戒めた。

 県は17~18年度、職員計4人を女性職員に対するセクハラ行為で懲戒処分している。

 研修では、労働政策研究・研修機構の内藤忍副主任研究員が講師を務めた。処分対象の実例として、職場の懇親会で女性職員の腰や太ももを触った▽下着の色を聞いた▽女性職員の手や背中に触れたり、休み中の予定を聞いて自宅に誘ったりした―などを挙げ、「セクハラはいけないと分かっているはずなのに、なぜ起きたと思うか」と問いかけた。

 参加者からは「性的対象として見てしまっている」「自分に好意があると勘違いしたのでは」と発言があった。内藤さんは、セクハラ被害の6割が上司や先輩からで、立場の違いや職場での関係上、女性は拒絶できない場合があると指摘。「性的行為には同意が必要。イエスではない曖昧な沈黙はノーと受け止めるべき」とくぎを刺した。

 パワハラやマタハラの事例も取り上げられた。参加した男性課長(52)は「自分の価値観で相手の立場を考えるのではなく、相手がどう思っているかが大切だと知った」と話した。