雨漏りしている6年生の教室。ビニールの雨よけで、児童に雨水がかからないように対応している(大山崎町円明寺・第二大山崎小)

雨漏りしている6年生の教室。ビニールの雨よけで、児童に雨水がかからないように対応している(大山崎町円明寺・第二大山崎小)

大山崎町役場

大山崎町役場

 京都府大山崎町の2小学校の校舎と体育館の老朽化が深刻化している。両小とも施設は1970年代前半の建築で、外壁がはがれ落ち、雨漏りも目立っている。町は2018年度策定の学校施設の長寿命化計画に沿って大規模改修を進めたいとする。しかし、議会は近年発生した地震や豪雨などの災害を考慮した再調査を求めており、現場の教職員や児童たちが望む、安全な教育環境が実現するめどは立っていない。

 両小の校舎などは大山崎小が1972年、第二大山崎小は73年にそれぞれ建設された。半世紀近くが経過し、外壁がはがれ、雨漏りが頻繁に起こるなど、老朽化が児童の学校生活に影響を及ぼしている。

 特に、第二大山崎小の雨漏りは深刻だ。6年生が使う教室の一つは天井から児童の机に雨水が直接落ちる。激しい雨天時はひびの入った柱から水が噴き出す。校務員がビニールを使って雨よけを作り急場をしのぐ対応が慢性的になっている。担任教諭は「児童は慣れてしまったが、この状態で授業を受けさせるのはかわいそう」と肩を落とす。コンピューター室と多目的教室も、棚や床に置いたバケツに茶色の雨水がたまる。

 町は、計画的な点検と修繕で教育施設を管理運営する「予防保全型」の長寿命化計画に沿い、今年3月の定例町会で、同小の校舎と体育館の外壁改修や防水工事など1億6100万円の19年度一般会計補正予算案を提出した。
 この予算案は野党町議らの多数の反対で否決された。その後、町が6月定例町会で本年度一般会計補正予算に提案した、劣化の激しい外壁部や昇降口など危険性の高い損傷箇所の修理費500万円だけが承認されている。

 同小の長寿化計画の予算案を否決した野党会派は、同計画のコンクリートの耐久性が03年の調査結果に基づいて策定されているためだと主張する。ある野党議員は「計画策定後に多数の豪雨災害があったほか、18年には大阪府北部地震も発生している」と、大規模改修前の再調査の必要性を指摘。町教育委員会は「国の基準や、調査を委託した専門業者の見解から改修しても問題がないと判断し予算案を作成した」としているが、再調査に応じ、今秋ごろに結果を明らかにするという。

 町と議会の対立で、町内の教育施設の整備は遅々としてはかどらない。同小の保護者らは「児童の安心安全な環境は絶対に必要。一刻も早く対応してほしい」と切実に訴えている。