フルマラソンを400回以上走った廣瀬さん(南丹市八木町北広瀬)

フルマラソンを400回以上走った廣瀬さん(南丹市八木町北広瀬)

 42・195キロのフルマラソンを410回走った。本人いわく、京都府内ではおそらく1人しかいないという偉業だ。「走りきった時の達成感は大きい」。南丹市八木町北広瀬の廣瀬利光さん(70)の言葉には実感がにじむ。

 電力会社で電気修理などに従事した。40代半ばでデスクワークに転じた頃から体重が増え始め、体を鍛えようと思ったのがランニングを始めるきっかけとなった。当初は、500メートル走っては休むというレベルだったが、徐々に走れる距離が伸びる喜びを感じた。「やめようと思ったことはない」と振り返る。

 1998年、47歳の時に岡山県で開かれた大会で4時間46分41秒で完走。これが原点だ。フルマラソンの100回達成を目指すランナーでつくる「フル百回楽走会」(神奈川県)に属し、関西の仲間と記録を積み上げてきた。

 世界各地も駆け抜けた。摩天楼に囲まれた米ニューヨークのセントラルパークや、韓国、英スコットランドなどで健脚を見せた。町並みや沿道の応援に国柄の違いを感じながら、コースを楽しんだ。

 2019年末に400回を突破した。なぜ、走り続けるのか。「達成感があるのが一番の理由。見ず知らずの人から応援してもらえるという、人生でまずないような体験もできる」と語る。

 ベストタイムは1999年に福知山市であった大会での3時間56分2秒。最近は5時間前後が多いという。新型コロナウイルス禍で大会が軒並み中止となる中、5時間切りを維持できるように日々、練習を重ねる。500回が次の目標だ。

 スタート前は、今でも「走りきれるだろうか」と緊張する。何度完走しようとも、次も簡単に走れるというほどフルマラソンは甘くない。年齢を重ねるにつれ、挑戦の壁も高くなる。その分、フィニッシュできた時は新鮮な喜びをもたらしてもくれる。

 今月24日に古希を迎えた。「70歳を過ぎて走っている人がいて、敬意を表する。元気なうちは走り続けたい」。鍛え抜かれた両の脚に力を込める。