京都府と京都市はこのほど、府内の2019年度の児童虐待相談件数を発表した。府内の合計は前年度比23・8%増の5240件で、4年連続で過去最多を更新した。近年の深刻な虐待事件によって社会の関心が集まったことが主な要因とみられる。

 虐待の種別は、暴言を吐いたり、子どもの前で配偶者に暴力を振るったりする「心理的虐待」が2775件(うち京都市1233件)が最も多く、「身体的虐待」1051件(同533件)、育児放棄などの「ネグレクト」742件(同272件)、「性的虐待」30件(同13件)が続く。性的虐待を除き全種別で前年度を上回った。

 虐待を受けた子どもの年齢は、未就学児が4割の1973件(同925件)。次いで小学生1531件(同662件)、中学生724件(同320件)、高校生ら18歳までが370件(同144件)だった。虐待者は実母が2203件、実父が2038件と実親が9割を占めた。夫婦間での面前DV(家庭内暴力)による心理的虐待の増加が背景にあるとみられる。

 新型コロナの感染が広がった今年1月~3月の件数は1408件で前年同期比6%の微増だった。府と市によると、4月以降も例年を上回るような大幅な増加はない一方、外出禁止のストレスによる軽微な相談が増えるなどの変化があるという。

 府内の相談件数は、全国で悲惨な虐待事件が相次いだことから近隣や知人からの相談が増え、年々増加している。府家庭支援課は「コロナの影響で、家庭内でストレスがたまりやすい環境が続いている。気を引き締めて丁寧に対応していきたい」としている。

 府と市の児相が受理した相談・通告の件数を京都新聞社がまとめた。虐待種別や年齢別などは府と市で対象が異なり、府は受理した全2547件を、京都市は虐待と認定した2051件を分析している。