安土城跡の大手道。滋賀県は城の復元に向けた取り組みを本格化させる(近江八幡市安土町下豊浦)

安土城跡の大手道。滋賀県は城の復元に向けた取り組みを本格化させる(近江八幡市安土町下豊浦)

安土城跡の赤色立体地図。黄色い丸で囲まれているのが、新たに見つかった郭

安土城跡の赤色立体地図。黄色い丸で囲まれているのが、新たに見つかった郭

 滋賀県は、織田信長が築いた安土城(近江八幡市)の城跡の北部で、建物を建てたり、兵が戦に使ったりする平たん地「郭(くるわ)(曲輪)」が4カ所、最新のレーザー測量で見つかったと発表した。北部は発掘調査がこれまで行われておらず、「想像以上に城の遺構が安土山全体に広がっていることが分かった」としている。


 県は6月、安土城跡がある安土山に航空機からレーザーを照射して3次元測量し、地形の凹凸が正確に分かる「赤色立体地図」を初めて作成した。従来の地形測量では自然の斜面や尾根と思われていた北部の4カ所に人工的に山を削った郭が認められた。
 郭は、最北端と北東部の2カ所で尾根に細長く造成され、残り2カ所は谷筋に階段状に設けられている。調査済みの南部の郭では屋敷跡や厩(うまや)跡が発掘されており、今回見つかった4カ所でも、尾根上に城に関する施設があったり、階段状の郭の最下段に船着き場があったりした可能性があるという。
 安土城は戦国大名の織田信長が安土山に1576~79年に築いたが、本能寺の変後、天主など主郭部分が焼けた。県教育委員会と県は1960~75年と89~2008年、南部の天主跡や大手道を発掘調査したが、北部はまだ調査していない。
 県は赤色立体地図を解析して今後の調査に生かすとともに、同図を安土城考古博物館(近江八幡市)で展示する予定。県文化財保護課は「今回見つかった郭の用途は現状では推測の域を出ないが、これまで知られていなかった遺構の発見が期待できる」としている。