京都の夏が年々、寝苦しくなっている。最低気温が25度を下回らない熱帯夜は2010年以降、年間30日以上あるのがほぼ常態化し、10年ごとに3・6日ずつ増えているという▼地球温暖化や内陸都市のヒートアイランド現象の影響が指摘されている。総務省の社会生活基本調査(16年)によると、京都人の就寝時刻が全国平均より22分も遅く、最も夜更かしなのも無理はない▼一方、20~34歳の若い世代の睡眠時間がこの10年で1割程度増え、約8時間になったとの民間調査が報告された。その理由が意外だ。夜遊びせず早く帰宅して過ごす傾向に加え、横になってスマートフォンを見るうち眠ってしまう「寝落ち」が要因とみられている▼眠りに深く陥るからではなく、通信から脱落するため寝落ちと呼ぶらしく、よい睡眠とは言い難い。直前にスマホ画面の光を見つめると眠りが浅くなりがちという▼きょうは二十四節気の大暑。1年で最も暑い時季とされる。コロナ禍で迎える夏本番、マスク着用などで熱中症のリスクも懸念され、しっかり睡眠をとって体調を整えたい▼約千年前、清少納言が「夏は夜」としたのも、寝付けない京の暑さを月や蛍をめでて紛らわしたからかもしれない。スマホを切り、ゆったり目を閉じて、そんな風情を思い浮かべたい。