京都の嘱託殺人事件について文字盤を介して語るALS患者の増田英明さん(23日、京都市左京区)

京都の嘱託殺人事件について文字盤を介して語るALS患者の増田英明さん(23日、京都市左京区)

 日本ALS協会副会長で、近畿ブロック会長の増田英明さん(76)=京都市左京区=は、透明文字盤から目で一文字ずつ選び、京都の安楽死事件について「悲しく、悔しい。人の命は軽くないです。人の命をもっと大事にしてほしい」と語った。

 増田さんは2005年にALSの疑いがあると診断され、06年に人工呼吸器を装着、在宅生活を送っている。

 今回の事件について増田さんは、たとえALS患者が「死にたい」と言っても、それをうのみにして死なせてはだめだとし、「私たちの団体には、彼女のように生きることに迷う人たちがたくさんいます。そういう人を前にして苦悩する家族や支援者もいます。生きることよりもそうじゃない方が楽なのかもしれないと傾きそうになりながら、必死に生きています。彼女を死に追いやった医師を私は許せません。私たちが生きることや私たちが直面している問題や苦悩を、尊厳死や安楽死という形では解決できません。生きてほしい、生きようと当たり前に言い合える社会が必要」と訴えた。