「2025年万博では100万円ぐらいで作製した患者自身のiPS細胞を披露したい」と話す山中教授(大阪市)

「2025年万博では100万円ぐらいで作製した患者自身のiPS細胞を披露したい」と話す山中教授(大阪市)

 京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授が1日、大阪市内でiPS細胞(人工多能性幹細胞)研究の進行状況について講演し、「2025年の万博会場では、患者さん自身の細胞から100万円ぐらいのコストで作製したiPS細胞を披露したい」と目標を語った。

 講演会は、関西に拠点を持つ新聞社や放送局などでつくる関西プレスクラブが主催、各社の編集幹部や大学関係者ら約120人が出席した。

 山中教授は、C型肝炎の治療薬「ハーボニー」を例に、「1錠5万5千円もする。3カ月の薬代が5千万円にも上る」と指摘。現在の医療研究者の課題は「新しい治療法を低コストで提供すること」と説明した。

 その上で、「iPS細胞は、低価格でより多くの人に利用できるようにしたい」と説いた。同研究所が現在進めている他人の細胞から作ったiPS細胞の備蓄事業を、より安定したものとするため、公益財団法人化を目指す取り組みを紹介した。

 また、現在は拒絶反応が起きにくい3種類のiPS細胞を出荷しているが、「間もなく4種類目、今年度中には5種類として日本人の40%をカバーできるようになる」と最新の成果も披露。「20年代にはゲノム編集して免疫のタイプを書き換えたiPS細胞のストックに取り組みたい」と構想を語った。