泳ぎ回るリアル

 透明な樹脂を使い、立体的でリアルな金魚を描く作家深堀隆介さんは、金魚を30匹ほど飼っている。10基ほどの水槽に2~5匹ずつ。水はすぐに汚れ金魚の体調に影響するので、週2回の水替えが欠かせない。

 その中で金魚の動き、体の仕組みを観察する。触れて、柔らかさや皮膚の張りも感じる。濃密な触れ合いが明確な像となり、作品に結実する。展覧会「深堀隆介―金魚愛四季(いとしき)」が見せるのは、今にも泳ぎ出しそうな「生きた」金魚だ。

春ノ桶

 制作方法は、まず樹脂を器に薄く流す。2日待って固まると、胸びれや腹びれなど、一番下の部分を描き、再び樹脂を流す。固まると次は胴体―と階層を重ねていく。多い時は20層ほどの重なりが「本物そっくり」と言われる金魚を生み出す。だが、図版などは使わないという。自身の脳内で泳ぎ回る自由なイメージを形にする。

雪花

 作品「雪花」は幼いころ、氷の下で寒さに耐える金魚を見て「生きている」と感じた記憶が基にある。畳1畳ほどもある「韓雪(からゆき)」は、葛藤や喜びを金魚の皮膚に秘めた。

韓雪

 飼っている金魚が死ぬとデッサンし、ひれやうろこの構造を学ぶ。そのノートも今回、一部公開する。

 「自分の技法は金魚の薄いひれや透ける皮膚を表すために編み出した。金魚以外の生き物には使わない」。深堀さんの金魚の追究はこれからも続く。

花露


【会期】7月29日(水)~8月10日(月・祝)
【会場】大丸ミュージアム京都(京都市下京区 大丸京都店6階)
【開場時間】午前10時~午後8時(最終日は午後5時まで。入場は閉場30分前まで)
【入場料】一般900(700)円、高大生700(500)円、中学生以下無料。かっこ内は10人以上の団体と各種優待料金
【主催】金魚愛四季実行委員会、京都新聞

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、時間変更や中止の可能性あり(来場前にホームページで状況を確認してください)。混雑時は入場制限あり。