民家から発見された神坂雪佳の枕屏風(奥)と色紙、漆箱=京都市下京区

民家から発見された神坂雪佳の枕屏風(奥)と色紙、漆箱=京都市下京区

 近代京都の画家で図案家の神坂雪佳(せっか)(1866~1942年)が手掛けた枕屏風(びょうぶ)が、解体中の京都市下京区の旧家から見つかった。琳派(りんぱ)の影響を受けたモダンで優美な紅梅の花木が描かれている。同家は、6人兄弟の長男だった雪佳の末弟の子孫で、専門家は「雪佳らしい絵。中年ごろの作で間違いない。町家の『お道具』(生活用具)として伝わったのだろう」としている。

 枕屏風は高さ50センチ、幅80センチの二曲からなる。描かれている梅の幹は琳派特有の技法「たらしこみ」で、Sの字に伸びていく枝は空間に余韻を残す。雪佳を研究する京都市立芸術大名誉教授の榊原吉郎さん(85)は「もともと二曲一双で、白梅が描かれていたかもしれない。頼まれたら描いていた庶民的な雪佳が、何かの記念かお礼で贈ったのだろう」とみる。つなぎ目部分など傷みは激しい。

 このほか色紙27点も見つかり、うち雪佳も2点あった。童子らしき人物の絵について、榊原さんは「お能に出てくる人物かもしれない」と語る。また雪佳の弟で四男・松濤(しょうとう)の作は5点あり、大原女の絵は晩年の作とみられる。五男の漆芸家・祐吉の作とみられる盆もあった。残りは親族らによる絵、書の屏風などだった。

 同家は1913(大正2)年の建築。引っ越しのため、室内を整理していたところ仏壇の棚の上から見つかったという。同家の女性(61)は「まさか、こんなにきれいな絵があるとは思わなかった。末の弟だったのでかわいがられていたんでしょう」と話している。