帝国ホテルが京都で新規開業を目指すホテルの進出先となる弥栄会館(京都市東山区)

帝国ホテルが京都で新規開業を目指すホテルの進出先となる弥栄会館(京都市東山区)

 帝国ホテルは10月9日、京都市東山区・祇園の弥栄会館で計画するホテル開業について、施設を所有する学校法人「八坂女紅場(にょこうば)学園」と協議を始めることで基本合意し、帝国ホテルの祇園進出計画が、正式に動き出した。京都市中心部では近年、外資系を中心に「ラグジュアリー(豪華)ホテル」と称される高級ブランドホテルの進出計画が相次いでいる。京都の既存ホテルも大規模改装で宿泊料の高価格帯シフトを始めており、富裕層の争奪戦が一段と激化しそうだ。


 京都での高級ホテルラッシュの号砲は、2014年に中京区の鴨川沿いにオープンした「ザ・リッツ・カールトン京都」だった。世界的なブランドと手厚いサービスを武器に、海外の富裕層を取り込んだ。16年にはカナダの高級ホテルグループが東山区で「フォーシーズンズホテル京都」を開業した。
 今後の計画もめじろ押しだ。今月末には高台寺(同区)近くの老舗料亭内に米ハイアットが最上級ブランド「パークハイアット京都」を開業し、11月には高級リゾートホテル「アマン京都」が北区で営業を始める。国内勢も盛んで、来年春にはプリンスホテルが清水小跡地(東山区)で、夏には三井不動産が二条城東側(中京区)にグループ最高級のホテルをそれぞれ誕生させる。
 宿泊施設が充実する一方、急増する訪日観光客と住民、事業者間のトラブルも絶えない。帝国ホテルが進出を目指す祇園では観光客の迷惑行為を受け、地元団体が今春、市に対策を要望した。観光客を受け入れるホテル側も無縁ではなく、今後は地域との協力関係が欠かせなくなる。
 記者会見に同席した八坂女紅場学園の杉浦京子副理事長(「一力亭」女将)は、「日本の生活習慣やしきたりを分かってもらえるよう、地道に伝え続けたい」としつつ、「一流ホテルに来てもらうことで界わいの人の流れも少し変わると思う」と述べた。