「ニンテンドースイッチ」の戦略など2019年度の経営方針について説明する古川社長(東京都内)

「ニンテンドースイッチ」の戦略など2019年度の経営方針について説明する古川社長(東京都内)

 任天堂は1日、経営方針説明会を東京都内で開き、ゲーム専用機に続いて人気キャラクターの活用やスマートフォン向けゲームを将来の事業の柱に据える戦略を改めて打ち出し、東京に国内初の直営店を今秋出店する計画も発表した。業績をV字回復させた家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」も今春で3年目に入り、販売の勢いを持続できるかは不透明だ。独創的な商品で市場を切り開いてきたゲーム界の巨人は、次なる一手を模索している。

 「圧倒的に面白いゲームの開発、IP(知的財産)の積極活用、ニンテンドーアカウントを生かすビジネス。この三つが進むべき道しるべだ」。古川俊太郎社長は同日、再整理したという今後の事業戦略を説明した。

 ゲーム専用機では、2017年3月発売のスイッチが大ヒット。昨年の年末商戦も好調で累計販売は3千万台を突破したが、目標の年間2千万台のハードルは高く、計画の下方修正を余儀なくされた。20年3月期について、古川社長は「ハード、ソフトとも今期より伸ばす」と強調する。

 鍵を握るのはソフトだ。昨春には模型と組み合わせて遊ぶ新機軸ソフト「ニンテンドーラボ」を投入。ただ、スイッチの販売を急加速させるには至らず、人気ソフトは「スーパーマリオ」などの定番タイトルが依然多い。宮本茂取締役フェローは「失敗しても思い切りやれる体力が任天堂にはある。スクイズではなくホームランを狙う」と述べ、過去の遺産にこだわらない方針を示した。

 キャラクター活用では、テーマパーク進出や映画製作に取り組むほか、19年秋に東京・渋谷に開設すると発表した直営店「ニンテンドートウキョウ」では、グッズ販売やゲーム体験を通し、ファンの開拓を狙う。

 スマホゲームでは他社との協業を広げる。年2、3本の新作配信を今後も続ける方針だが、スマホ向けビジネスの売上高は全体の3%にとどまり、収益のけん引役には遠い。業績の浮沈が大きいゲーム事業を専用機とスマホ、キャラクター活用の3本柱で安定成長に導くことができるか、注目される。