ポストカード(いずれも京都大提供)

ポストカード(いずれも京都大提供)

クラウドファンディングの返礼品のクリアファイル(京都大提供)

クラウドファンディングの返礼品のクリアファイル(京都大提供)

 太陽の観測で多大な業績を残しアマチュア天文学の発展にも貢献してきた京都大理学研究科付属花山天文台(京都市山科区)を天文・宇宙文化教育の拠点にしようと、同天文台の存続に取り組む「花山宇宙文化財団」は28日に市民から寄付を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。目標額は300万円で交通アクセスの向上などに生かしたいといい、10月27日まで受け付ける。


 計画では山頂にある同天文台を訪れる人のためバスの停留所などを整備し、天文台の建物や展示物についての案内板を作る。ほかにも京大の飛騨(岐阜県高山市)、岡山(岡山県浅口市)両天文台での市民向け活動に役立てるという。

 寄付者には金額に応じて返礼品を贈る。花山天文台を応援する英ロックバンド「クイーン」のギタリストで天体物理学者のブライアン・メイ氏が写ったポストカードやクリアファイル、同天文台や宇宙についての話題を大人と子どもが一緒に楽しめる本「うちゅうぼん」、オンライン講演会のチケットなど12種類を用意した。

 同天文台では2020年度から土日曜に一般公開して収益を天文台の維持に役立てる計画だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実現できていない。CFの受け付けは文化情報メディア・サービス「THE KYOTO」のサイトから。

 同財団理事の柴田一成京大名誉教授は「超新星についての記録が残る藤原定家の『明月記』など京都と天体観測のつながりは古くからあり、花山天文台もその歴史を受け継いできた。CFを通じて今まで以上に多くの方に知ってもらい、次世代に残すために協力してもらえればうれしい」と話している。

 同天文台は1929年開設。近年は老朽化や国立大の予算削減、京大に別の天文台ができたことで従来通りの活動が難しくなった。19年に香川県のメーカーが10年間で1億円の寄付を表明したが、それ以降の存続のめどは立っていない。