チケットを手にする前からワクワクが始まる。やがて、思い出はチケットの半券に残る。<あの夏に君と笑ったお芝居のチケット栞(しおり)にして読む詩集>俵万智▼さて、東京五輪・パラリンピックのチケットの販売方法が発表され、今からソワソワしている人もいるのでは。気が早い。チケット入手にはいくつか関門がある。まず4月から抽選の申し込み、結果発表は6月、販売は来年春以降という道のりだ▼気になるのは、抽選申し込みがインターネットの公式サイトのみで、ID登録しないといけないという関門。パソコンが使えないお年寄りや障害を抱えた人は手助けが要る。来年春から販売所が設置されるが、東京限定だ▼さらなる関門は、やはり価格。最上位の席は開会式で30万円、人気競技の決勝は高額で、家族ぐるみなら手が出ない。ただ、全体の半分以上が8千円以下、ここらが狙い目か▼一方で子どもや高齢者、障害者が1人以上いるグループなら1枚2020円というのもある。一般販売とは別に、安価な学校観戦プログラムも用意されている。こうした席をどれだけ増やせるかで、東京五輪の理念が見えてこよう▼高額転売を禁じる法律が6月に施行する。公正なチケットを手にしたい。感動を共にした思い出を栞にするために。その前に抽選。