大津市の市民センターの再編について、越直美市長は1日、全36カ所のセンターの市役所支所機能を10カ所に集約するとしていた素案を見直し、全ての支所を2024年度まで存続させる方針を発表した。センターの職員数や業務時間は減らすとしている。

 各種証明書発行や行政相談を行う支所が減れば日常生活に影響しかねない、とする住民らの強い反発を受け、大きく軌道修正した形だ。市は4月以降、住民向けの説明会を開く。

 素案に代わる新たな実施案では、全センターに支所機能を残した上で、配置している市職員を現在の半分に減らし、計116人にする。貸館などの公民館機能については、住民組織に運営委託するとしていた素案を踏襲、「準備が整った学区から順次移行する」とした。

 20年度から着手し、影響や効果を検証した上で、25年度に再度見直すかどうかを決める。

 17年11月にまとめた素案では、センター再編で年4億2100万円のコスト削減効果を見込んでいた。一方、新たな実施案では、それを上回る年6億4800万円の削減効果を試算。センターに配置する正規職員数の削減や業務時間の短縮を進めることで実現できるとした。

 記者会見した越市長は「素案を示したことで、市民を巻き込んで行政の在り方を考える良い機会となった。今回、より広い意見を反映させた案ができた」と述べた。

 実施案は同日、市自治連合会の臨時会で自治会代表らに示された。市によると、出席した36学区の自治連会長らから反対はなく、「安心した」との声が上がったという。

 素案の撤回を求めていた市民団体「支所・公民館を守る大津市民の会」の池端耕治代表は「市民の声が受け入れられた。職員を削減する影響などは今後、みていく必要がある」と話した。

 市は行政コスト削減を目的にセンターの4機能(市役所支所、公民館、地域自治、防災)の統廃合を検討。昨年7~11月に住民対象の意見交換会などを開いたが、現状維持を求める意見が多く、練り直しを迫られていた。