工場見学で試飲を楽しむ参加者たち(多賀町・キリンビール滋賀工場)

工場見学で試飲を楽しむ参加者たち(多賀町・キリンビール滋賀工場)

 キリンビール滋賀工場(多賀町)がビールの醸造工程を紹介する工場見学ツアーの充実に力を入れている。発酵の仕組みを学ぶことができるアニメーションや「インスタ映え」する写真スポットを設置するなどして、アルコール離れが進む若い顧客層へ魅力発信を図っている。

 同工場は1974年に操業開始。2010年に醸造設備を更新したのを機に一般向けの見学を始めた。

 今年3月から新たに、発酵の仕組みを体感できるコーナーを醸造棟に設ける。円形の酵母が糖を分解し、アルコールと炭酸ガスを生み出す様子の動画をスクリーンで流す。来場者が手でしずく型の輪を作って動画の上にかざすと、形状認識システムが反応して酵母の画像が輪の中に集まってくる仕組みで、発酵の過程を身近に感じられるようにする。

 工場は近年、見学ツアーの内容も全面刷新した。内容を代表商品「一番搾り」に特化し、製法を担当者が説明するほか、来場者が缶ビールの缶に腰掛けているかのような写真を撮れる特大パネルも置いた。

 集客は好調で、昨年末には見学者数が累計30万人を超えたという。ビール大手の出荷量は前年割れが続く厳しい状況だが、滋賀工場は「五感を使った体験を通じてビールを好きになっていただきたい」(総務広報担当)と期待する。