テレグラムを使った大麻譲渡のイメージ

テレグラムを使った大麻譲渡のイメージ

 チャット記録を自動的に消去する機能がある無料通信アプリ「テレグラム」を使い、中学生3年の少女に大麻を男が譲り渡したとされる事件で、大麻取締法違反(譲渡)容疑で逮捕された男(20)はツイッター上で「ホフマン」と名乗り、隠語を用いて大麻販売をうかがわせる投稿をしていたことが9日、京都府警の調べで分かった。
 府警によると、男はツイッター上で「ホフマン」と名乗り、隠語を用いて大麻販売をうかがわせる投稿をしていた。この際にテレグラムの利用IDを併載し、購入希望者には同アプリを使って連絡してくるよう指示。少女とも同アプリでやりとりし、譲渡の日時や場所、価格などを伝えていたという。
 テレグラムは、送受信するメッセージが暗号化され、自動的にスマートフォン端末から消去される機能も備わるなど、秘匿性の高さが特徴の通信アプリ。送受信されるメッセージが暗号化され、スマホ端末から痕跡を簡単に消すこともできるなど、通信の秘密が守られる安心感から世界中で利用が広がる。一方、その秘匿性の高さから、違法薬物取引や特殊詐欺などの犯罪に悪用される恐れを指摘する声もある。

密売人とネット空間

「詳細はテレグラムでお願いします」。大麻を意味する隠語をツイッターで検索すると、違法薬物の販売を持ちかける無数の投稿がヒットする。捜査関係者によると、密売人の多くはツイッター上にテレグラムの利用IDを公開し、秘匿性の高いネット空間で取引を繰り返しているとみられるという。
 ITジャーナリストの井上トシユキさんによると、テレグラムはロシア人技術者が開発した。通信内容を外部から「のぞき見」されず、グループ内でもメッセージをやりとりできる利便性が注目され、世界で1億人超が利用。イランや香港の反政府デモ参加者らも使用しているとされ、日本では2017年ごろから広まり始めたという。
 こうした秘匿性の高さから、特殊詐欺や児童ポルノ取引など犯罪への悪用を懸念する声もある。17年には、テレグラムを使って野球賭博を行ったとして、賭博開帳図利の疑いで埼玉県内の男が逮捕されている。
 井上さんは「今回の事件は、テレグラムを使用しても犯罪が露見することを示した。運営会社は今後、アプリ内で犯罪の形跡を見つけたら、速やかに警察に通報するなどの対応が求められる」としている。
 逮捕容疑は2月28日午後9時ごろ、京都市右京区の店舗駐車場で、同市内の当時中学3年の少女(15)に大麻草5グラムを2万5千円で譲り渡すなどした疑い。
 少女は3月1日、自宅で突然暴れ出すなどしたことから、家族が119番し、救急搬送された。自宅から乾燥大麻が見つかったため、府警が大麻取締法違反(所持)の疑いで少女を逮捕し、入手経路の特定を進めていた。