大久保容疑者(クリニックHPから)

大久保容疑者(クリニックHPから)

 神経難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性に対する嘱託殺人容疑で医師2人が逮捕された事件で、呼吸器内科医の大久保愉一(よしかず)容疑者(42)=仙台市=が事件の約1カ月前、女性の遺体から検出された薬物と同じ成分の薬品を購入していたことが29日、捜査関係者への取材で分かった。京都府警は事件で使われたものと同一かどうかを慎重に調べている。事件は30日で逮捕から1週間を迎える。

 捜査関係者によると、京都市中京区のALS患者林優里(ゆり)さん=当時(51)=は昨年11月30日、大久保容疑者と山本直樹容疑者(43)=東京都港区=とみられる男と自宅マンションで会った後、心肺停止状態に陥って死亡した。府警が司法解剖した結果、体内から鎮静作用のある「バルビツール酸系」の薬物成分が検出されたという。女性が普段、服用していない薬で、死因は急性薬物中毒だった。

 大久保容疑者は2018年から宮城県名取市で呼吸器内科などのクリニックを運営している。捜査関係者によると、大久保容疑者が事件の約1カ月前、同県内の医薬品販売会社からバルビツール酸系の薬物を購入していたという。国内では向精神薬に指定されて一般には市販されておらず、府警は医師の立場を利用して入手したとみている。

 バルビツール酸系の薬物は鎮静薬や睡眠薬、麻酔薬などとして用いられているが、大量に摂取すると呼吸低下を引き起こす恐れがある。欧米では医師による安楽死に使用されることもあるという。