新型コロナウイルスの感染再拡大が、収まらない。有効な手だては、ないのだろうか。

 政府で対応の司令塔役を務める西村康稔経済再生担当相は先日、自治体が対策を強化する際の判断基準を定める考えや、接待を伴う飲食店などで集団感染を防ぐための方針を示した。

 これ以上、感染者を増やさないようにするのに、必要なことではある。ただ、これらは既に着手している対策の延長線上にあり、収束に向けた決定打になるとは考えにくい。

 対策強化の判断基準は、非協力的な事業者には強制力を伴う措置も必要とする自治体が、指導を行う際の裏付けとして、政府に求めていたものである。

 判断基準では、自治体が新型コロナ特措法に基づく休業や営業時間短縮などを、迅速に要請できるようにするという。

 医療体制に大きく影響する重症患者、60歳以上の患者、受け入れ可能な空き病床などの数値を、指標として用いるとみられる。

 大阪府の設ける独自基準「大阪モデル」に近いものが、想定されよう。

 接待を伴う飲食店などに対処する方針では、対策が不十分で集団感染が発生し、経路の追跡が難しい場合、同意がなくても店名公表に踏み切る、とした。

 また、自治体は飲食店の営業許可の申請や更新時に、感染対策のガイドラインの周知を図り、建築物衛生法に基づく換気対策の立ち入り調査も徹底するそうだ。

 政府は既に、コロナ対策で風営法や食品衛生法を適用することも始めている。

 あの手この手を尽くしているようだが、一方で、過度な監視を懸念する声も上がっている。

 こうした取り組みで感染を収められるのか、という点が、今後、厳しく問われるはずだ。

 明らかになっている対策を見渡すと、いずれも自治体の対応を促すものばかりである。

 これでは、経済活動への悪影響を懸念している政府が、緊急事態宣言の再発令を避けるために打ち出した小手先の対策だ、とされはしないか。

 感染の再拡大が、さらに進む事態を想定しなければならない。

 政府に対して全国知事会から、緊急事態宣言を都道府県単位ではなく、市町村単位で発令できるようにすればどうか、との提案があった。宣言再発令を対策から排除せず、適切な範囲で行う工夫もしておくべきだ。