絞り染めの技法を駆使して名画を再現した展示(京都市中京区・京都絞り工芸館)

絞り染めの技法を駆使して名画を再現した展示(京都市中京区・京都絞り工芸館)

 伝統工芸「京鹿の子絞り」の技法を駆使して、「最後の晩餐」や「モナリザ」など世界の名画を再現した展示が、京都市中京区の京都絞り工芸館で開かれている。本物の絵画と見間違えてしまいそうな精巧な作品約25点が並ぶ。

 絞り染め職人でつくる「京都絞栄(こうえい)会」が、伝統技術の可能性を広げ、後世に継承しようと、約30年前から毎年新たな表現に挑戦し続けている。

 レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」は、幅5・5メートル高さ2メートルの大作で、職人が分業し、約15種類の技法を使った。顔の細かい表情や肌のなめらかな質感、テーブルクロスのしわや濃淡など、立体感が出るよう苦心したという。

 ゴッホの「ヒマワリ」やモネの「睡蓮(すいれん)」は、絞り独特の凹凸を残すことで、絵の具を重ねて描く油絵のような雰囲気を出すことに成功した。ルネサンス期のフィレンツェをイメージし、教会やビーナス、天使を描いたオリジナル作品「フィレンツェの美」(幅5・5メートル高さ2・1メートル)もある。

 吉岡信昌副館長は「様々な技術を持つ職人が協力し合い、渾身(こんしん)の力を込めて制作した。絞りの概念を超えた表現を見てほしい」としている。
 8月31日まで。休館日は3、13~16日。入館料800円。問い合わせは工芸館075(221)4252。