産後の女性と赤ちゃんが過ごす個室。ファミリー用の部屋も用意する(京都市下京区・ベビマム)

産後の女性と赤ちゃんが過ごす個室。ファミリー用の部屋も用意する(京都市下京区・ベビマム)

 京都市下京区に8月、産後ケア専門宿泊施設「ベビマム」がオープンした。運営するのは助産師や保育士、看護師ら専門職の母親たち。「自分のペースでゆっくりママになったらいいんだよ」。そんな先輩ママの思いを込め、心身が不安定になりがちな産後の女性を24時間体制でサポートする。

 発起人は助産師歴15年の岩見香織さん(43)。大学病院や助産院で、身近に頼れる人がおらず孤立したり、うつ状態になったりする女性たちを目の当たりにしてきた。自身も3人の子を育てる母親。「子どもを産んだら育児もできて当たり前というイメージがあるが、それは違う。人の手を借り、ゆっくり赤ちゃんとの時間を楽しめる環境があれば」との思いを募らせてきた。

 そんな思いに看護師や栄養士、保育士として働く女性5人が共鳴。専門家の支援が受けられ、心身のケアができる宿泊型施設をつくろうと、今年2月にグループ「ONE DROP」を立ち上げ準備を進めてきた。

 ベビマムは、3階建ての元簡易宿泊施設を活用。キッチン付きの個室が6室あり、看護師か助産師が常駐する。食材や栄養バランスに配慮した食事は、おやつと夜食付きの1日5食。育児に役立つ講座のほか、希望すればマッサージ、はり・きゅうも受けられる。家族利用も受け付ける。

 産後ケアは、韓国や台湾など海外で普及する一方、日本ではあまり認知されていないのが現状という。コロナ禍で、母親同士の交流や相談の場が減っている課題もある。岩見さんは「男性の意識を変えることも大切。出産で何かを諦めるのではなく楽しめる女性が増えるよう、産後ケアを文化にしたい」と語る。

 1泊3万5千円から。予約や問い合わせはベビマム080(2110)7561。