銀閣寺を訪れた台湾の李登輝・元総統(中央、2004年12月31日)

銀閣寺を訪れた台湾の李登輝・元総統(中央、2004年12月31日)

  7月30日に97歳で死去した李登輝(り・とうき)元総統は、京都帝国大学に1943年に入学した。李登輝氏は2006年、台北市内で京都新聞の取材に応じ、「台湾から京都に来たのは終戦の2年前。まず食べ物に困った。配給券を持ってあちこちの食堂を回ったが、お米は茶わん一杯もなく、野菜も足りない。困って台湾から豚の脂の缶詰と砂糖を送ってもらった」と、日本語で若き日の京都の思い出を語った。

 京都帝大のキャンパスは閑散としていたという。日本統治下でも台湾・朝鮮出身の学生は召集されていなかったが「同級生が兵隊に行くのに自分だけのんびりはできない」と志願した。
 
 李登輝氏は、大阪で兵役検査を受けた。「旧制高校のころから『死』とは何かを勉強した。今の人にはおかしいだろうが、検査官に『歩兵に行かせてくれ』と言った。一番苦労し、人間の生死の間をさまよい、死とは何かを理解するには歩兵がいいと」などと、戦争中の思い出を話していた。