空に「大気の川」が流れているそうだ。ポエムのようで、のんきに船を浮かべてイメージしたが、災害をもたらす気象現象として注目されているというから、名前だけでは分からない▼米航空宇宙局(NASA)が、世界で起きる洪水や干ばつの原因の一つは「大気の川」の動きにあると明らかにしている。水蒸気を大量に含んだ空気が地球上を移動する現象で、衛星画像でみると確かに大気圏をうねる川のようだ▼多くの犠牲者が出た2年前の西日本豪雨。上空に流れ込んだ巨大な「川」が記録的な大雨をもたらしたとの指摘がある。筑波大の釜江陽一助教らの研究によると、長さは3千キロに及び、水蒸気量を水の流量に換算すればアマゾン川の2倍以上というから驚く▼先日の熊本豪雨でも、こうした現象が起きていたとみられている。地球温暖化で海上の水蒸気が増えれば発生する頻度も多くなる、という見通しは当たっているようだ▼災害の巨大化は未来予測ではなくて、もはや現実ではないか。「大気の川」は研究途上だが、地球規模の観測でより早い気象予測ができれば、新しい防災対策に役立つはずだ▼残念ながら、京都、滋賀の梅雨明けはお預け。長雨にうんざりしたが、猛暑も困る。気候の激変についていけるかな、と地球の空を見上げて思う。