最終報告書を平尾選管委員長(右)に手渡す小島第三者委員長=甲賀市役所

最終報告書を平尾選管委員長(右)に手渡す小島第三者委員長=甲賀市役所

 滋賀県甲賀市選挙管理委員会の衆院選白票水増し問題で、第三者委員会の最終報告が提出された。しかし、公選法違反の疑いで滋賀県警に書類送検された元選管幹部ら4人をはじめとする市職員への聞き取り調査の具体的な内容については、市選管は当初方針を覆して、報告に盛り込まず非公開とした。発言が食い違い事実認定できない―などを理由に挙げるが、情報公開や実態解明より早期幕引きを優先した印象がぬぐえない。

 市と市選管から委託された弁護士3人は、元総務部長(選管事務局長)ら4人を含む市職員や選管委員ら計29人から聞き取った当日の役割や作業内容、心情などを、10月に約30ページの報告書にまとめた。

 当初、聞き取り調査報告書は第三者委の最終報告と合わせて公開する方針だった。しかし12月に開いた第三者委会合で非公開文書として扱うと報告。第三者委も了承し、5日の市選管会合で正式決定する。

 最終報告では、水増しに至る経緯について「事務従事者は疲れ、開票作業後の台風対応もある」との思いから、総務部長が部次長に「(水増しの)指示を出したと推測される」としか記されていない。

 一方、独自に入手した聞き取り調査報告書では、部長が冗談交じりに「未使用票で数を合わすことはできないのか」と部次長に言い、部次長は「えっ」と驚いた、と具体的なやりとりを記述。副市長が投開票日の数日後に不正を知っていた可能性を示す供述など、明らかにされていない事実の記載もある。非公開となれば、これら多くの当事者の証言が市民に知られないことになる。

 非公開理由を市選管は、記憶違いがあり事実認定が不可能▽公開することで職員が萎縮する恐れがある―などと説明し、10月以降に報告書内容を検証し方針転換したという。それに対し市議の一人は「原因を追求せず、第三者委の報告書をもってうやむやに幕引きを図っている」と批判する。

 同問題を検証する市議会特別委員会の谷永兼二委員長は「今後4職員に行われる市の処分が妥当かを判断するために必要」として、聞き取り内容の開示を求めていく考えを示した。今後の検察による刑事処分とは別に、市選管は、有権者の信頼を回復すべき当事者として真相究明から逃げるべきではない。