檀家での盆参りの代わりに初めて寺で執り行った施餓鬼会(京都市左京区・檀王法林寺)

檀家での盆参りの代わりに初めて寺で執り行った施餓鬼会(京都市左京区・檀王法林寺)

 新型コロナウイルス感染拡大が続く中、間もなく盆の行事が始まる。いつもなら家族そろって仏間に座り僧侶を迎える家も多いが、今年は事情が違う。読者から「今年はどのように僧侶を迎える準備をすればいいのか悩む」との声が、京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に寄せられた。今年も家に来てもらって大丈夫か? お茶を出すのは控えるべきか? 悩みは尽きない。

 京都市右京区の女性(53)は盆が近づくにつれ、「お寺からお参りの日にちと時間を知らせる電話をいただいたけれど、80代の義母が1人暮らしする家に10~20代の子どもたちを連れて帰ってよいのか」と考えるようになった。「密になる恐れもあるので何か対策を取った方がいいのではないか」と思う一方、「お坊さんに玄関でアルコール消毒を頼むのも失礼では」と迷いを深めている。

 僧侶の本音はどうだろう? 「毎年熱中症になりそうなので冷たいお茶とおしぼりはありがたいけれど、今年は期待してはいけない」(40代、浄土真宗)、「アルコール消毒薬を携帯する。お茶はお断りして最初から最後までマスクは外さない」(30代、浄土宗)、「例年と変えるところは特にないが、お参り先でアルコール消毒などを言われた時はきちんと対応したい」(60代、浄土真宗)など考え方はさまざまだが、感染リスクに配慮しつつお参りする姿勢は共通する。宗派を問わず今年は盆参り自体を断る家も少なくないといい、コロナ禍の中で、参る側も迎える側も手探りだ。

 あらかじめ檀家に方針を示した寺もある。東山区の金剛寺は「新しい生活様式の月参り・ご法事」と題したチラシを作成。「自分の耳に聞こえる大きさでお念仏をお唱えしましょう」「お茶の接待はお気持ちだけいただきます」など具体的な指針を明記し、盆参りの案内に添えた。中村徹信住職は「知らない人を家に上げるのだから、受け入れる人にはいろいろな思いがあると思う。それに応えるためにも必要だと思った」と話す。

 万が一の感染リスクを考慮して檀家での盆参りを中止し、代わりに1日に「施餓鬼会(せがきえ)」と呼ばれる法要を寺で執り行ったのは左京区の檀王(だんのう)法林寺。例年とは異なる方法だが、信ケ原雅文住職は「8月はお盆の月。法要で、ご先祖さまをお迎えする準備を整えてもらえたら」と話す。檀家も前向きで、上京区の女性(59)は「今年はこのような形でよかったと思う」と評価する。施餓鬼の後は墓参りで先祖の霊を迎えに行き、自宅での盆のお供えは例年通り行う。「毎日作るものが違うので大変だが、ご先祖さまをもてなすために、できることはやりたい」