新型コロナウイルスの感染が再拡大し、対策を強化する自治体の発表が相次いでいる。

 岐阜県は独自の「第2波非常事態」を宣言し、感染者が急増している近隣の名古屋市で酒を伴う飲食をしないよう県民に求めた。沖縄県も緊急事態宣言の発令を発表した。

 都市部を中心に飲食店の休業や営業短縮を求める自治体も多い。

 大阪府は大阪市の繁華街・ミナミで6日から20日まで、バー、ホストクラブなどで感染対策が不十分なら休業を、それ以外も午後8時に営業を終えるよう求める。

 住民への感染防止の訴えも強まっている。京都府は宴会や飲み会の開き方について「大人数は避ける」「2時間でお開き」など五つのルールを発表した。

 政府は緊急事態宣言の再発令に否定的だ。重症者が少ないことなどを理由に「4月の宣言時とは異なる」としている。

 だが感染拡大は収まる気配がなく、入院患者や重症者はだんだんと増えている。再び医療現場が逼迫(ひっぱく)する懸念が高まっている。

 各自治体が危機感から独自対策に乗りだすのは当然といえるが、中身はばらばらだ。感染者数などが違うとはいえ、隣り合う京都と大阪でも大きな隔たりがある。

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」は継続しており、県境をまたぐ移動も続く。対策の違いは混乱を招き、事業者の不公平感を拡大させないか。

 一方で、政府の対応は後手に回っていると言わざるを得ない。

 新型コロナウイルス感染症対策分科会は、地域の感染状況を4段階に分けて対策を講じる案を政府に提言した。だが、感染拡大の予兆を捉える指標は示されず、今週以降に持ち越された。

 都道府県ごとの「めりはりの効いた対策」で減少に向かわせる考えだが、自治体の後追いの感はぬぐえない。

 本来は第2波に向け、早く準備しておくべきだった。政府の動きの鈍さが国民の不安を拡大している側面もある。

 西村康稔経済再生担当相はお盆の帰省に関し、実家の祖父母ら高齢者に感染が広がる恐れがあるとして「慎重に考えないといけない」と述べた。

 注意喚起の在り方などを議論するというが、GoTo継続との矛盾を指摘する声もある。

 政府が今の事態をどう認識しているのか、見えてこない。自治体と連携し、封じ込めへ実効性ある取り組みを示してほしい。