イノシシよけの仕掛けを触るツキノワグマ。胸に「月の輪」がある(7月10日午後7時7分、京都市西京区・小塩山)=西山自然保護ネットワーク提供

イノシシよけの仕掛けを触るツキノワグマ。胸に「月の輪」がある(7月10日午後7時7分、京都市西京区・小塩山)=西山自然保護ネットワーク提供

クマが撮影された現場。中河代表が指し示しているのがイノシシを遠ざける仕掛けで、この仕掛けを触るクマを、左手前のセンサーカメラがとらえた(7月28日午後)

クマが撮影された現場。中河代表が指し示しているのがイノシシを遠ざける仕掛けで、この仕掛けを触るクマを、左手前のセンサーカメラがとらえた(7月28日午後)

 京都市西京区大原野の小塩山に自然保護団体が設置していたカメラが、ツキノワグマの姿を偶然とらえた。クマの保護に取り組む京都府農村振興課によると、小塩山を含む西山の山域での生息は確認されていたが、動く姿が撮影される例は珍しいという。

 カメラは、春に開花するカタクリの保全に取り組む「西山自然保護ネットワーク」が、イノシシなどの食害を防ぐ目的で設置していた。7月10日午後7時6分、山頂近くのカタクリ群生地を囲む柵のそばで、体長1メートルほどとみられるクマが1頭、現れた。

 クマは、カタクリを荒らすイノシシを遠ざけるため大きな金属音を発する仕掛けに興味を示し、二本足で立って臭いをかぐしぐさを10秒ほど続けた。

 仕掛けは、地面近くに張られた糸に動物が脚を引っかけると鳴動する仕組みになっていた。クマがこれに引っかかり、仕掛けが作動。「カンカンカン」という大きな音に驚いたクマは脇目も振らず獣道を駆けだし、道沿いに置かれた唐辛子の辛み成分入り液体を噴射する装置もくぐり抜けて、大木の奥へ姿を消した。

 同団体は7月19日に映像を確認し、西京署へ伝えた。中河洋介代表(76)=西京区=は「巨大イノシシかと思ったが、立ち上がったので驚いた。登山者はクマよけの備えをしっかりして」と話す。