著書「まともがゆれる」を出版したNPO法人「スウィング」理事長の木ノ戸さん(京都市北区)

著書「まともがゆれる」を出版したNPO法人「スウィング」理事長の木ノ戸さん(京都市北区)

 障害者施設の枠を超えた活動が注目されているNPO法人「スウィング」(京都市北区)理事長の木ノ戸昌幸さん(41)が、施設の日常や自身の半生を記した著書「まともがゆれる」を出版した。弱さや失敗を許し合いながら生きる人々の姿を通して、自分や他者に寛容になるヒントを伝えている。

 同法人は障害者就労事業所を運営する傍ら、アート活動や戦隊ヒーローにふんした清掃活動、交通案内ボランティアなど、利用者の個性や特技を生かした活動を展開。著書では取り組みのきっかけなどを紹介した。

 また、親の年金でキャバクラに通い、自己嫌悪で引きこもっていた「増田さん」、よくパニックに陥り「永遠のリストラ候補」と呼ばれるスタッフの「沼田くん」らが登場し、周囲や本人が弱さを受け入れていく様をつづった。社会の不寛容さにも触れ、「できないこと=悪いこと(ダメ)という価値観って一体何なんだろう」などと疑問を投げ掛けた。

 自身も幼い頃から周囲に期待されて自分を追い詰め、中学でうつ状態になったことなども率直に記している。木ノ戸さんは「真面目で繊細な人ほど、しんどい世の中。少しでも肩の力が抜けて、楽になってもらえたら」と話す。

 朝日出版社刊。223ページ。1560円。