日本の林業は大きな転換点を迎えている(京都府南丹市美山町)

日本の林業は大きな転換点を迎えている(京都府南丹市美山町)

 林業の大きな転換となる「森林経営管理法」が4月から施行される。手入れが行き届かない民有人工林の管理権を市町村が得て民間事業者に任せることができる制度だが、肝心の市町村や山林所有者に国からの具体的な説明はなく、京都府の丹波2市1町からも戸惑いと不安の声が出ている。

 同法は山林所有者に森林管理の責務を課し、果たせない場合は市町村がその権利を取得する。採算に見合うと市町村が判断した森林は意欲ある事業者に伐採や造林などの管理を任せる一方で、採算が難しい森林は市町村が管理する。費用は新設される「森林環境税」によって、まかなう仕組みだ。

 同法制定の背景には、木材価格の低迷や後継者不足で管理が及ばない森林が増えている現状に加えて、農林漁業の成長産業化を促すという政府の方針がある。

 市町村は、所有者が自ら管理する意欲と能力の有無、山林の実態把握、採算性などを調査して判断しなければならないが、丹波2市1町やほとんどの市町村では林業の専門職員が配置されていない。森林面積が88%を占める南丹市は「課題が多すぎる。具体的な説明や指示はなく不安が募るだけ」(農林整備課)と戸惑う。

 林野庁は「環境保全の観点からも現状の放置はできない。さまざまな機会を通して説明を尽くし、取り組んでいく」とする。

 しかし、所有者への説明は何もなく、「現場軽視のやり方」との批判が出ている。また同法は50年生前後での皆伐(かいばつ)を想定しているため、「皆伐すれば山が崩れやすくなる。手間がかかっても間伐でやるべき」との意見も根強くある。