次期「京都観光振興計画」の策定に向けて議論を始めた京都市観光振興審議会(下京区・京都経済センター)

次期「京都観光振興計画」の策定に向けて議論を始めた京都市観光振興審議会(下京区・京都経済センター)

 京都市観光振興審議会がこのほど、下京区の京都経済センターで開かれ、2021~25年度の次期「京都観光振興計画」策定に向けた議論がスタートした。外国人観光客の急増などが市民生活に影響を及ぼした近年の反省を受け、市は次期計画で目指す方向として「地域や社会の課題解決に貢献する持続可能な観光」を打ち出しており、本年度中の計画策定を目指す。

 現行計画は14年10月に策定され、期限は20年度末。目指す姿を「世界があこがれる観光都市」とし、観光消費額1兆円との数値目標を定めている。市は計画に基づいて観光資源の充実やプロモーションに取り組み、18年には市内の外国人宿泊客数が過去最多の450万人に達したものの、マナー違反を巡る市民との摩擦や市バスの混雑といった「観光公害」も起きた。

 次期計画は30年時点での目指す姿と方向性を示し、21年度から5年間の取り組みを定める。審議会に市が示した案では、目指す姿として、市民生活と観光の調和▽観光の質を高める▽世界の人々が集うまち▽観光の担い手の活躍▽持続可能な観光の実現-の五つを挙げた。計画には新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた観光の在り方も盛り込まれる見通し。

 審議会では、委員から「これまで観光客数5千万人を目指した結果、オーバーツーリズムが起きた」との指摘や、「市内の分散化では効果がない。府市協調というなら、観光でも本気で京都府と京都市が手を結んで取り組むべき」といった意見が出た。

 審議会の会長にこの日就任した京都大の若林靖永教授は「京都は人類の価値や美意識に影響を与え、伝統と革新を創造する特別な場所。京都の未来のための計画にしたい」と述べた。

 市は審議会が11月と来年2月に開く会合などを経て取りまとめる案を基に、来年3月に次期計画を策定する予定。