滋賀県庁

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 京都新聞社が滋賀県に開示請求した優生保護法(1948~96年)下での強制不妊手術関連文書を巡って、県の第三者機関「公文書管理・情報公開・個人情報保護審議会」がほぼ全面開示を答申したにもかかわらず県が約8割を非開示とした裁決について、同審議会は6日、「専門的で社会常識を反映した判断をないがしろにし、答申尊重義務に明らかに反する」とする建議書を三日月大造知事に提出した。審議会が都道府県を批判する建議を行うのは異例。

 審議会は2019年8月、被害者の発病後の経過や病状、遺伝関係、強制不妊手術の適否の審査を申請した医師の所属医療機関、執刀した医師氏名や所属医療機関など449カ所を開示すべきと答申した。しかし県は今年2月、「偏見や差別による人権侵害を受ける恐れがある」などとして非開示とした。

 建議書は県の裁決について、明らかに情報公開条例の解釈を誤っている▽合理的な理由なく答申の考え方を否定している▽答申と異なる結論に至った点につき説得的な説明がなされていない―とし、「裁決全体を通じて公正妥当な判断がなされているか大いに疑問」とした。

 優生保護法に基づく人権侵害は社会的関心が高く、事実関係の解明が待たれていると指摘。生活状況や発病後の経過、病状については個人の識別につながらないと判断して開示を求めたにもかかわらず、「裁決は、答申内容を曲解し、基本的な考え方を尊重していない」と批判した。

 さらに答申から裁決までに6カ月近くかかったことは「原則30日、特別の理由がある場合は60日以内」という従来の実務に反しており条例違反とした。

 「裁決の内容および裁決に至る過程の両面において重大な瑕疵(かし)がある」と結論付けた上で、県の考えを公開の場で説明するよう提案している。

 審議会は情報公開制度に基づいて設置され、弁護士や憲法や行政法などの法学者、公募委員ら14人は知事自らが任命した。

 県健康福祉政策課は「審議会が建議をされたということについて真摯(しんし)に受けとめたい」とコメントした。