牛腩肉麺に豚肉のそぼろ丼(魯肉飯)が付くセット930円のほか、単品(734円)もある。

牛腩肉麺に豚肉のそぼろ丼(魯肉飯)が付くセット930円のほか、単品(734円)もある。

六花

六花

 ビーフカレーに牛丼、肉うどんと、日本には牛肉を取り入れた主食級の料理が数多くある。だが、国民食であるはずのラーメンに牛ラーメンがないのはなぜだろう。牛肉とラーメンは相性がよくないのだろうか。

 そんな疑念を覆すラーメンに、台湾料理店の六花で出合った。牛腩肉麺(ニューナンローメン)といい、柔らかく煮込んだ牛のバラ肉やスジ肉が上にのった、見るからに食べ応えのありそうな麺料理だ。店主の高橋義弘さん(63)によると、「台湾でも人気が出てきたのはここ10年くらい。比較的新しい料理です」とのこと。台湾の人々は長らく農耕牛として牛を大事に扱ってきたことから、牛肉を食べる文化が定着しにくかったのだという。

 それが今では、台北市を中心に専門の屋台が多数進出。店ごとにスープの味付けや麺の太さなどに工夫を凝らし、味を競い合っているそうだ。高橋さんの店では、鶏ガラに牛肉のだしを加えたあっさりめのスープに、太めのストレート麺を選択。そして仕上げに、さんしょうや八角などの香辛料で臭みを消し、しょうゆや砂糖などで甘辛く煮込んだ牛肉と青菜をプラスする。「煮込んでいる間に肉の余分な脂が取り除かれるので、意外とさっぱりとしています。徐々に肉汁がスープに溶け出し、うまみが増していきますよ」。確かに、見た目よりもあっさりとしているが、うまみもしっかりと感じられ、一杯平らげるのも苦にならない。

 この味わい深い牛肉煮込みを麺の具材にしておくのはもったいないとばかりに、ご当地では単品のおかずや丼にも応用されているという。急速に進化を遂げる台湾の牛肉グルメにヒントを得たラーメンが、そのうち日本にもお目見えするかもしれない。(ライター・岡田香絵)

 <お店情報>

 台湾料理バル 六花 京都市左京区北白川上終町11-2 イーグルコート101。 075(703)1818。午前11時半~午後2時半、同5時半~9時半(いずれもラストオーダー)。火曜休。ランチ680円、ディナー平均1500円。