チンパンジーが暮らす類人猿舎の壁に映像を投影した研究の様子(今年3月、京都市動物園)

チンパンジーが暮らす類人猿舎の壁に映像を投影した研究の様子(今年3月、京都市動物園)

 チンパンジーが芸術作品を楽しむことができるのかをテーマに、京都市動物園(左京区)で行われた研究成果の発表会がこのほど、園内であった。科学と芸術の組み合わせが動物福祉にどう寄与できるのか、研究者が考察を紹介した。

 研究は、京都市などが取り組む文化・芸術の祭典「KYOTO STEAM―世界文化交流祭」の一環で2018年に始まった。今年3月には来園者とチンパンジーが双方向に操作できる映像作品を類人猿舎に設置、観察や分析を行った。

 研究発表では、古里の森を映した作品など3種類の映像を流したところ子どものチンパンジーが関心を示し、映像そのものに興味を持っているような行動が観察できたことなどが発表された。

 トークセッションでは、映像作品の制作に携わった美術家の人長果月さんが「美術作品が動物の感性にも刺激を与えていけるのではと思った」と指摘。市動物園主任研究員の山梨裕美さんは「チンパンジーを楽しませるということに関して、視覚空間の可能性を感じる。思いがけない動きが見えた」と話した。