伊吹山山頂を背景に西日を浴びて3合目を彩るユウスゲ(滋賀県米原市上野)

伊吹山山頂を背景に西日を浴びて3合目を彩るユウスゲ(滋賀県米原市上野)

 滋賀県米原市上野の伊吹山3合目(標高約750メートル)で、ユリ科のユウスゲが夕方に花開き、一帯をレモンイエローに彩っている。一時はシカの食害で激減したが、地元有志らでつくる「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」が保護に取り組み、柵で囲ったエリアでは植生が回復してきた。10日は「山の日」。

 ユウスゲは山地に生える多年草で、夕方に咲いて朝にはしぼむ一夜花。30年ほど前に同会のメンバーがスキー場のススキ原を刈り取ったところ、花畑が広がったという。だが、2010年代に入ると、シカが食べて次々に姿を消した。

 同会がネット柵で一帯を囲って維持管理を続け、外来種の除去やススキの草刈りを繰り返すうちに、柵内では植生が戻ってきた。イブキフウロやルリトラノオなど植物の種類も増加。西日を浴びて、咲き誇るユウスゲとともに一帯を彩る。

 今後、滋賀県や米原市、自然保護団体などでつくる「伊吹山を守る自然再生協議会」が、入山協力金を利用し、より維持がしやすい金属製の柵を、範囲を広げて設置していく計画で、全長1200メートルにわたって囲んで植生復活を目指す。

 高橋滝治郎会長(61)は「ユウスゲは地域の宝物。これだけの規模の群生地は全国的にも珍しい。その魅力を広く知ってもらいたい」と話す。