空き家の庭に散乱していたスリッパ。京都府警向日町署がいったん回収したが、現場では新たにスリッパが確認されている(京都府長岡京市今里1丁目)=同署提供

空き家の庭に散乱していたスリッパ。京都府警向日町署がいったん回収したが、現場では新たにスリッパが確認されている(京都府長岡京市今里1丁目)=同署提供

 京都府長岡京市内で民家の外に置いてあったスリッパなどが今月相次いでなくなり、向日町署の調べで、野生のキツネがくわえて逃げた可能性の高いことが28日までに分かった。すみかとみられる市内の空き家敷地やその周辺で確認された履物は少なくとも60個に上る。状況証拠から「容疑者」を推定した同署はキツネの絵入りの交番速報を急きょ作成し、履物を屋外に置いたままにしないよう呼び掛けを始めた。

 同署によると、今月10日と19日に「家の外に置いたスリッパが盗まれた」と市民から連絡があった。市内では女性の靴を狙ったとされる男が先月摘発されたこともあり、同署が窃盗容疑で捜査、周辺計8世帯で計15個の盗難被害を確認した。現場の鑑識活動では何者かが民家敷地に侵入した形跡は見られなかったという。

 警戒巡回中の署員が20日早朝、空き家の庭で大量の履物と巣穴とみられる穴を発見し、付近にキツネ2匹がいるのを目撃した。現場の状況やスリッパなど履物の一部にかみちぎった跡があることなどから、同署はキツネの「犯行」とみている。

 勝手口のスリッパを盗まれた主婦(36)は「犯人が分からず不安だったが、キツネの仕業と聞いて少し笑ってしまった」とほっとした様子。現場近くの女性(68)は「空き家の庭や周囲の畑のスリッパは警察が撤去したあとも新たに見つかっている」と苦笑する。京都市動物園の広報担当は「市街地にすみつき、収集癖のあるキツネが、身近で運びやすい靴を集めていた可能性がある」としている。