洛西ニュータウン内の住民の買い物支援のために走る京都生協のバス(京都市西京区)

洛西ニュータウン内の住民の買い物支援のために走る京都生協のバス(京都市西京区)

 京都市などの郊外ニュータウンに急激な高齢化の波が押し寄せている。1970年代後半に子育て世代がこぞって移り住んだ市最大の洛西ニュータウン(西京区)では、車を運転できない「買い物弱者」対策が急務となっている。

 阪急桂駅からバスで20分ほどの丘陵地に広がるニュータウンの境谷地区。団地前に京都生協の移動販売車が止まると、客が次々集まってきた。肉や野菜、冷凍食品など千種類近くの商品が並ぶ車内で買い物した女性(70)は「車がないと生活できない。販売車が来なかったらと思うとぞっとする」とこぼした。

 ニュータウン中心にある大規模な商業施設以外に、新林、境谷、福西、竹の里4地区で食品スーパーが営業。だが利用客の減少などで境谷と竹の里では2001年と03年にそれぞれ撤退した。生協の移動販売は15年に始まった。地元自治会や地域包括支援センターからも依頼があり、今では週5日計15カ所を回る。

 市住宅供給公社などが17年に住民に実施した調査では、境谷と竹の里ではコンビニの出店を望む声が共に4割を超えた。公社は今年秋ごろに1店を境谷に誘致する方針だ。

 国勢調査によると、同ニュータウンには1995年には1万300世帯3万4200人が暮らしていたが、15年は9900世帯2万2900人。高齢化率は37・3%と市平均より10ポイントほど高く、1世帯当たり平均2・3人が暮らす。

 人口は20年間で大幅に減ったが世帯数は微減にとどまる。30代の会社員の夫と専業主婦、子どもは2人―。まちびらき時に多かったそんな家族も年を重ね、子どもが巣立った後に帰ってこない現状がうかがえる。

 課題はいかに若い世代を呼び込むかだ。市営と都市再生機構(UR)の団地空き部屋では、それぞれ市内の大学と連携し、子育て世代向けのリノベーションを進める。ニュータウン中心部などへの住み替えを促す住民相談会も同公社などは昨年から定期開催する。

 NPO法人洛西福祉ネットワークの齋藤信男理事長(79)は「自然環境やインフラがすでに充実しており、活性化の余地は大きい」と強調。共働きの夫婦が増えたライフスタイルに適合するため、バス路線など公共交通網の増設を例として提案する。

 人口減少が進む中、多世代にとって住みやすいまちをどのようにつくるか。模索が始まった、老いるニュータウンの活性化は、郊外の住宅地の持続可能性も暗示している。