新型コロナウイルスの感染拡大で、自治会や町内会などが活動の自粛や縮小を余儀なくされている。

 京都や滋賀でも、子どもの無病息災を祈る「地蔵盆」をはじめ夏の行事の中止を決める地域団体が相次いでいる。回覧板での情報伝達や役員の会合といった日常的な活動についても回数を減らしたり、取りやめたりする動きが出ている。

 感染を防ぐ対策の難しさが大きな要因だが、加入率の低迷や活動の担い手不足といったコロナ以前からの課題が影響していることも否めないだろう。

 住民同士をつなぐ自治会活動の停滞は、支援を必要とする住民の孤立や、地域の防災力低下につながりかねない。コロナの収束後も見据えた自治会のあり方を考えたい。

 京都市は今月、自治会などに向けて感染対策と住民活動を両立させるポイントを記した冊子「新しい地域活動スタイル」をまとめた。集会や総会の開催方法のほか、夏祭りや敬老会などの催しについても形態別に対策事例を紹介している。

 催しの実施にあたっては、飲食物の提供にはデリバリーサービスを利用する、野外イベントは密集を避けられるウオークラリーに変更することなどが有効とした。

 集まり方を工夫すれば催しの開催は可能と呼び掛けている。例年の手法にこだわらず、行事を再点検してコロナ禍でも住民同士が交流できる道を探ってほしい。

 自治会活動そのものにも、見直すべき点はないだろうか。コロナは自治会が抱える問題を浮き彫りにしたといえる。

 自治会や町内会は住民の自由意志によって結成される任意団体で、加入義務はない。京都市の推計加入率は2016年度で68・5%で、3割超の世帯が加入していない。共同住宅の増加で住民のつながりが減っていることや、加入にメリットを感じない人が増えていることなどを背景に、「自治会離れ」が指摘されている。

 加入している世帯にも、自治会によって会費の額が異なっていたり、役員が行政の広報誌やお知らせ配布を担ったりしていることに不公平さや負担を感じている人は多い。

 こうした慣行の是非についても話し合いを深める好機である。書面での意見交換やオンライン会議などを活用し、活動上の悩みや疑問を出し合うことが住民の距離を近づけよう。

 すでに新たな活動を模索する動きも出ている。

 長岡京市のマンション自治会は、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った回覧板を作成した。行政の告知や催し物の案内だけでなく、マスクや消毒液配布などの情報を伝えて組織の活性化につなげているという。

 こうした他の自治会の活動は住民から見えにくい。行政は積極的に情報を発信して住民の活動を支えてほしい。

 コロナで住民の交流を閉ざしてしまうのではなく、より深めていく契機としたい。