泥棒と言えば唐草模様の風呂敷を担ぐ姿を思い浮かべる人は多いだろう。昭和の漫画やテレビの印象が強く「サザエさん」を読み返すと、磯野家に押し入った姿が描かれていた▼風呂敷が日常的に使われていた頃からはほど遠いが、最近は買い物用に見直されている。追い風となっているのがプラスチック製レジ袋の有料義務化だ。7月、コンビニ大手3社で客の4人に3人がレジ袋を辞退したという。以前は4人に1人だったから、レジ袋離れは急速に進む▼日本風呂敷協会(京都市中京区)によると、最盛期は1960年代。ちょうど東京五輪(64年)の頃だ。各社が記念風呂敷を製品化し「空前の需要を巻き起こした」という▼四方に伸び広がる唐草は繁栄の象徴。嫁入り道具を包んで運び、たんすの一番下の引き出しに入れておくことが通例だった。子どもたちは月光仮面ごっこのマントとして重宝したものだ▼いざという時は防寒着や三角巾、ロープになり、防災やアウトドアの現場でも活躍する。一枚物なのでエコバッグよりも洗濯しやすい。コロナ禍の折、清潔が保てるのも長所のようだ▼「SNS(会員制交流サイト)で風呂敷の良さが発信され、若い世代に便利なアイテムとして再発見された」と同協会。エコライフの必需品にと期待がかかる。