天橋立海水浴場では、共用施設をこまめに消毒するなど感染対策に配慮する(京都府宮津市)

天橋立海水浴場では、共用施設をこまめに消毒するなど感染対策に配慮する(京都府宮津市)

好天に恵まれた浜辺でシーカヤックの体験を行う家族連れとインストラクター。感染予防の配慮から海に出るまで全員がマスクを着用していた(京都府宮津市)

好天に恵まれた浜辺でシーカヤックの体験を行う家族連れとインストラクター。感染予防の配慮から海に出るまで全員がマスクを着用していた(京都府宮津市)

 長い梅雨を経て、ようやく訪れた夏本番。青空と海、砂浜のコントラストが美しい日本三景の一つ・天橋立(京都府宮津市)東側の砂浜で8月初旬、大阪から訪れた家族連れがシーカヤックを楽しんだ。「ブレードでしっかりと水をキャッチして」。パドルの使い方を指導するインストラクターと、親子4人の口元にあるマスクが、新型コロナウイルスの流行下で迎えた夏を象徴している。

 兵庫県では、豊岡市で新たに開業したグランピング施設が、感染リスクが低い開放的な環境で家族連れなどの人気を集める。夏のレジャーに対する消費者心理も、コロナ禍の影響で変化が生じているようだ。

 新型コロナウイルスが再拡大する中、始まった夏。比較的感染リスクが低い屋外レジャーの現場でも、利用者の安心のためさまざまな工夫が凝らされている。

 天橋立観光協会(京都府宮津市)が運営し、マリンレジャー体験を提供する天橋立アクティビティセンターは、コロナ対策で各時間帯の受け入れを1組に限定。インストラクターは海でもマスクを着ける。コロナ禍で外出を控える動きがあるものの、屋外で楽しめる安心感もあり、7月の体験実施回数は前年を上回った。

 夏の定番・海水浴は、コロナ禍の影響が色濃い。混雑も予想され、海水浴場の開設を巡っては、各地で判断が分かれた。宮津市は「地元経済への効果が大きく、事業者側からの強い期待があった」とし、市内3カ所全てを開設している。

 市から委託を受けて海水浴場を管理する天橋立観光協会は、ビーチに配置する連絡員を増員。団体同士が密にならないように呼び掛け、トイレなど共用施設の消毒もこまめに実施する。海水浴場に近い旅館「対橋楼」支配人で、同協会の幾世健史副会長は「例年には及ばないが、観光客は戻りつつある。安心安全な海を楽しんで頂けるように地域を挙げて取り組みたい」と話す。

 兵庫県では、関西屈指の人気で昨季は24万人超が訪れた須磨海岸(神戸市須磨区)が「3密(密閉、密集、密接)対策が十分できない」(神戸市海岸防災課)などの理由で、記録の残る1982年以降、初めて海水浴場の開設を断念した。看板や放送で「遊泳はご遠慮ください」と呼び掛けられる浜辺には、例年賑わう海の家もない。水着姿の若者グループや家族連れがまばらに見られるだけだった。