立憲民主党との合流の是非を巡って、国民民主党が事実上、分裂する事態となった。これでは野党共闘の先行きが案じられる。

 両党は半年前に頓挫した合流協議を幹事長、政調会長のルートに限定して再開し、それぞれ党会合や執行委員会で11日、新綱領・規約案などを報告した。立民では了承されたが、国民は賛否が対立し、玉木雄一郎代表が賛成派と反対派で「分党」する考えを表明した。

 仕切り直しの協議は、立民側から両党共に解散して新党「立憲民主党」を結成する案を提示して始まった。立民が「吸収合併」を撤回し、国民が求める「対等な立場」となる形を持ち掛けたものの、党名問題で難航。しかし、立民が投票による党名決定案へ譲歩し、実質合意に近づいていた。

 代表として党内をまとめ切れなかった玉木氏の責任は重い。

 そもそも国民は、立民との合流を巡り、党勢低迷から次期衆院選に危機感を抱く衆院側と、昨年の参院選で立民と議席を争った参院側との亀裂が深かった。玉木氏は合流に慎重姿勢を貫きつつも高まる積極論に抵抗できないと判断。一方で玉木氏自身が党名に加え、消費税や憲法といった基本方針の一致にこだわり、反対論の先鋭化を招いてしまったとみられる。

 とはいえ政党として合流するには基本政策の不一致は看過できない。大義を欠いた数合わせの合流が再び分裂を招くと考えるなら、合流前の分党もやむを得まい。

 両党は旧民進党が源流で、国会議員は現在、衆参両院副議長を含め立民89人、国民62人。今秋にも合流新党を結成する意向で、両院の野党統一会派に属する無所属議員も参加する見通しだ。国民の分党に伴う不参加者がどの程度出るかは未知数とはいえ、あなどれない勢力になるのは間違いない。

 安倍晋三政権は、長期ゆえのおごりや緩みが目立つ。コロナ禍対策でも後手が相次ぎ、世論調査で内閣支持率は急落している。

 国会軽視の姿勢を取り続ける安倍政権に対峙(たいじ)し、きちんともの申せる存在感のある野党が欠かせない。現状に飽き足りない有権者の不満や要望をすくい取った独自の政策を打ち出し、実現に向けた具体策を示すことも求められる。

 合流新党が軸になり、今後も国会の統一会派を維持できるのか。衆院選に向け、各党の利害を超えて選挙協力し、政権批判票の分散を防げるのか。「1強多弱」を克服するには、野党間の信頼関係をいかに醸成するか、も鍵となる。