宮津市の養老地区で養殖されたアカモク。2月中をめどに出荷される(同市大島)

宮津市の養老地区で養殖されたアカモク。2月中をめどに出荷される(同市大島)

アカモクの種苗に満遍なく光が当たるよう海水が循環する水槽。府海洋センターが独自に開発した(宮津市小田宿野)=同センター提供

アカモクの種苗に満遍なく光が当たるよう海水が循環する水槽。府海洋センターが独自に開発した(宮津市小田宿野)=同センター提供

 京都府などの海に自生し、食用としての需要が高まっている海藻「アカモク」の本格的な養殖技術を、府海洋センター(宮津市小田宿野)と地元の漁業者らが開発した。毎年変動する水揚げ量の安定に向け、センターで育てた種苗を漁業者が海中で成長させている。今月中旬から今季の出荷を始める。

 ホンダワラ科のアカモクは北海道の一部を除く全国に生息する。独特の食感と粘り気が特徴で他の海藻類と比べカルシウムやマグネシウム、食物繊維を多く含み、食べる地域が広がっている。ただ、1年で一生を終えるアカモクは毎年新たな生育環境が必要となるため、資源量にばらつきがあることが課題だった。

 安定供給を図ろうと、センターは宮津市の漁師らと連携した試験養殖を2013年ごろから始めた。0・2、3ミリ程度の種を樹脂ブロックに付けて約1センチの大きさにした後、海水が循環して光がたくさん当たるよう独自開発した水槽に入れて生育する。

 漁業者は約10センチに育った種苗を長さ約50メートルのロープに等間隔に取り付け、海中(深さ1メートル)に設置。水中で直立するよう、成長に合わせてロープの位置を深くし約4カ月育てると、大きいもので10メートル近くになるという。

 13年度の採取量は0・9トンほどだったが、生育状況などを調べながら改善を進め、昨年度は宮津市と舞鶴市の養殖場から計約5トンを出荷。本年度は昨年度以上を見込むという。

 試験養殖に携わってきた漁師の関丈晴さん(35)=宮津市岩ケ鼻=は「種苗は海に入れれば自然に育ち、手間があまりかからない。消費が増えれば、海が荒れる冬場の収入につながる」と期待する。

 センターの久田哲二主任研究員は「種苗の生産には水温の上昇や食害といった課題はあるが、漁業者の要望に合わせて安定供給できるよう研究を進めたい」としている。